地球環境を守るための4つの重要な取り組み
以下では、地球温暖化の防止と持続可能な未来を目指した重要な取り組みについてご紹介します。
それぞれの取り組みは、世界中の国々が共通の目標に向けて協力し、地球環境の保護を実現するための道標となっています。
Project 1気候危機
地球温暖化とその影響について、緊急の行動が必要であることを紹介します。温室効果ガス削減の重要性と、世界が取り組むべき対策を知りましょう。
IPCC第6次評価報告書(2023年3月)
- 人間活動による温暖化は疑う余地がない
- 産業革命前に比べた気温上昇はすでに1.1°Cである
- 今後10–20年で1.5°Cに到達する恐れがある
- 世界各国の温室効果ガス排出削減目標は不十分
- 2035年に、2019年比で60%の削減が必要
- 今の行動と選択は、今後何千年にもわたる影響がある
2023年3月に公表された最新の「気候変動に関する政府間パネル IPCC」第6次評価報告書では、人間活動による温暖化は疑う余地がないことが改めて示されました。 産業革命前に比べて気温の上昇はすでに1℃を超え、今後10年から20年で1.5℃にも到達するおそれがあると予測されており、一方で世界各国の温暖化対策は非常に不十分です。
- Take Action
Project 2パリ協定
パリ協定の1.5℃目標達成に向けた取り組みについて学び、気候変動を抑制するための国際的な協力の重要性を理解しましょう。
パリ協定の1.5℃目標達成に向けた挑戦
今、行動と選択をすれば、今後何千年にもわたる影響を回避できることから、早急な脱炭素化の取り組みが必要です。この脱炭素化の取り組みを加速しているのが、2016年に発効されたパリ協定です。ここでは、地球の平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5℃に抑える目標が掲げられ、その目標を達成するためにさまざまな挑戦、検討、研究開発がなされています。
- Take a look
GHG と SLCF
| Category | Name |
|---|---|
| GHG: Greenhouse Gas 温室効果ガス | CO2, CH4, N2O, 代替フロン類 (HFCs) |
| SLCF: Short-Lived Climate Forcer 短寿命気候強制因子 | CH4, HFCs, O3, BC (ブラックカーボン) 等エアロゾル |
Project 3Global Stocktake
国連気候変動枠組条約に基づく各国の排出削減目標の進捗を確認し、世界的な気候行動の効果を高めるための重要なプロセスです。
世界的な脱炭素社会の実現に向けて
世界的な脱炭素社会の実現に向けて、パリ協定に基づき、温室効果ガスを早期に削減してゆくことは世界的な約束事となり、様々な排出源から大気中に放出される温室効果ガスの排出量を正確に把握する重要性はますます増しています。2021年4月、我が国も2050年のカーボンニュートラル、2030年の温室効果ガス排出量46%削減(2013年比)の目標を掲げました。
グローバルストックテイク
グローバルストックテイクは、パリ協定の下での世界的な進捗評価プロセスです。すべての国が共同で行動することで、目標の達成に向けた進捗を確認し、必要な対策を講じるための重要な手段です。
NDC (国が決定する貢献)
NDC は、各国が自ら設定する排出削減目標です。これにより、パリ協定の目標達成に向けた具体的な行動が示され、各国の責任が強調されます。
Project 4GOSATシリーズ衛星観測
衛星データを用いた「トップダウン推計」により、温室効果ガス排出量の迅速な把握が可能になり、削減対策の検証に重要な役割を果たします。
GOSATシリーズ衛星観測
宇宙からの衛星観測データを用いた導出には世界的に大きな期待が寄せられています。特に、各国が自ら設定する排出削減目標(Nationally Determined Contributions, NDC)を適切かつ野心的に目標設定する上で必要となる「現状の排出量の正確な把握」に重要な貢献となります。
従来も、気候変動に関する国際連合枠組条約並びに関連する締約国会議の決定に基づき、温室効果ガスの排出・吸収量を算定し公表してきました。こうした算定値を「ボトムアップ」推計といいますが、このボトムアップ推計の排出インベントリには課題があります。一つは「値の正確さ」で、温室効果ガスの種類による不確実性や、それぞれの国のインベントリ技術による不確実性によるものです。もう一つは「タイムラグ」で、「ボトムアップ」推計インベントリの作成には公式統計値が使われるため年単位の時間がかかる点です。
例えば、我が国では2021年4月に2019年度版の算定値が公表されていますが(環境省・国立環境研究所, 2021)、こうしたボトムアップ推計と相補的な役割を果たしうるのが、衛星データに代表される大気観測データを使った「トップダウン推計」であり、近年では大気観測データが準リアルタイムの速度で配信されるようになったこともあり、その迅速性に大きな期待が寄せられています。
直近の排出インベントリを迅速に構築することは、将来シナリオの「基準年」としてのみならず、過去に作成したシナリオの妥当性「検証」にも重要であり、グローバルストックテイクでは削減対策効果を迅速に検証して次の対策に活かす上で非常に重要です(Janssens-Maenhout et al., 2020)。
- [ 引用文献 ]
- Janssens-Maenhout et al., 2020. Toward an Operational Anthropogenic CO2 Emissions Monitoring and Verification Support Capacity, Bulletin of the American Meteorological Society, 101(8), E1439–E1451.
DOI: https://doi.org/10.1175/BAMS-D-19-0017.1
GOSATシリーズ衛星
GOSATシリーズは、気候変動に関する科学の発展への貢献と気候変動政策への貢献をミッション目的として、主要な温室効果ガスである二酸化炭素やメタンの観測を行う地球観測衛星です。GOSAT(2009年打ち上げ)、GOSAT-2(2018年打ち上げ)およびGOSAT-GW(2025年打ち上げ) が現在運用中です。 GOSATシリーズは、環境省(MOE)、国立研究開発法人 国立環境研究所(NIES)、国立研究開発法人 宇宙航空研 究開発機構(JAXA)の三者が共同で推進するプロジェクトです。
- 温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(Greenhouse gases Observing SATellite : GOSAT)
- 温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(Greenhouse gases Observing SATellite-2 : GOSAT-2)
- 温室効果ガス・水循環観測技術衛星「いぶきGW」 (Global Observing Satellite for Greenhouse gases and Water cycle: GOSAT-GW)
- Take a look
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- GOSAT Data Archive Service (GDAS)
- GOSAT-2 Product Archive
- GOSAT-GW TANSO-3 Product Archive (G3PA)
