活動内容

研究交流課題名

(和文) 北東アジアにおける生態系の温室効果ガス交換とその気候変動への応答に関する研究

(英文) Study on ecosystem GHGs exchange and its response to climate change in Northeast Asia

交流実施期間

令和4(2022)年 8月~令和9(2027)年 7月( 5年間 )

拠点機関

(日本) 国立研究開発法人 国立環境研究所(研究代表 高橋 善幸)

(中国) 中国科学院 地理科学・資源研究所(研究代表 Zhi CHEN)

(韓国) ソウル国立大学(研究代表 HyunSeok KIM)

研究交流計画の概要

日本、中国、韓国の科学者が集まり、以下の活動を実施する。

1) 学際的・分野横断的な共同フィールド調査(フィールドキャンペーン):
炭素・温室効果ガス収支推定の信頼性向上は、学際的・複合的な組み合わせ(地上観測、リモートセンシング、モデリング)からもたらされる。フラックス測定、生態学的研究、地球気候研究に豊富な経験を持つ3カ国の科学者が、先進的な技術を駆使して、特定の陸上生態系において共同観測を実施する。
2) フラックス計測のネットワーク化:
3カ国のフラックス観測ネットワーク(ChinaFlux、JapanFlux、KoFlux)から数十の観測サイトを統合し、大陸スケールでの陸域生態系のパターンとプロセスの理解を深める。これは、フラックス測定サイトの機能タイプ、流域、トランセクトを想定したネットワーク化によって実現される。
3) 野外環境制御実験のネットワーク化:
大陸スケールの炭素循環・温室効果ガス交換プロセスおよびその気候変動への応答に関する理解を深めるため、地域横断的な野外環境操作実験の比較を実施する。
4) モデルの開発、パラメタリゼーション、妥当性確認:
東アジアの生態系全体に利用できる統合データ融合システムの改良と開発に重点を置く。観測データに基づき、より大きな時間・空間スケールの観測データに対して、モデルパラメータ化、検証を行う。
5) 広域評価とデータ統合の取り組み:
標準化されたデータとモデルを用いて、各国の科学者が自国の炭素・温室効果ガス収支を計算し、それを統合して東アジアの地域収支を推計する。この推定は、地球規模の気候変動を緩和する陸域生態系の可能性と、東アジアにおける生態系の持続可能な管理方法に関する情報を提供する。
6) 科学会議(セミナー)、短期訪問、交換研究員:
定期的なワークショップやシンポジウムを開催し、研究の進捗状況や結果について議論し、総合的に判断する。また、研修プログラムを通じて、学者や学生との活発な学術交流も行う。