研究プロジェクト

長寿命放射性核種を用いた地球表層における物質循環・生物地球化学循環の動態研究

14Cを用いて北太平洋中・深層水循環を過去1万年間の変動を解明ー南半球偏西風帯の南北移動による南極海深層水形成の活発化が主な原因
図1.過去1万年間の中・深層水循環変動の概念図 現在(実線)と循環強化のあった7500-6000年前後(点線)の中・深層水の流れ
図2.過去1万年にわたる北西太平洋における中・深層水のみかけの年代の変遷(赤とピンクの実線)年代が小さいほど、循環が活発になったことを示す。下北半島沖水深1200mで採取された微化石(底生・浮遊性有孔虫)の14C値により復元

国立環境研究所加速器質量分析施設(NIES-TERRA)では、1996年より米国NEC社製の5MVタンデム加速器質量分析計を用いて長寿命放射性核種(14C, 129I, 10Be)をトレーサに利用した研究を実施している。特に本施設の特色である超微量14C計測技術の応用研究においては、大気・底質・環境中化学物質等様々な環境試料を対象に古気候復元、生物地球化学循環、炭素循環、大気中微小粒子(PM2.5, BC)、大気CO2等、様々な環境分野における応用研究を推進するとともに、継続的な装置のアップデートともに新たなブレークスルーとなり得る新たな研究手法の開発を行っている。

関連サイト/記事

関連研究者