研究プロジェクト

日本海を中心とした海洋環境における温暖化影響に関する観測研究

観測船上から望む日本海。多いときだと1年のうちで1ヶ月以上を船上にて生活します。船上から海を見つめながら海洋環境の将来を日々考えています。

1. (独)環境再生保全機構・環境省の環境研究総合推進費「2-1604(温暖化に対して脆弱な日本海の循環システム変化がもたらす海洋環境への影響の検出)」

https://www.erca.go.jp/suishinhi/seika/pdf/seika_2_03/2-1604.pdf

日本海は小さいながらも外洋と同じような海水循環システムを持つことからミニ・オーシャンと呼ばれ、日本海を監視することで地球規模の海洋環境の変化を比較的短時間で理解できる可能性がある。これを裏付けるように、日本海の海水循環システムが温暖化の影響により急激に変化し始めていることが分かってきた。そこで本課題では、海水循環の変化がもたらす生物生産や炭素循環などの海洋生態系への影響を、定量的に検出することを目指している。温暖化影響を正確に予測することは、その抑制・適応策等の政策決定において極めて重要である。特に、海洋国・日本においては、海洋環境への影響を早期に把握して影響予測を行うことが極めて重要な課題である。

2. 国立環境研究所気候変動適応研究プログラムPJ1-4「気候変動による日本周辺海域における海洋環境と生態系への影響評価」

http://ccca.nies.go.jp/ja/program/pj1-4.html

気候変動の影響により海洋構造に変化がすでに現れている日本海を主たる対象海域として、日本周辺における環境と生態系の変化を定量的に検出し、その情報提供から気候変動が及ぼす海洋環境変化を国民に実感させるアラート(警告)を発する。また、地方公共団体等で蓄積されている水産・海洋データを有効活用することで環境変化と漁獲量等の変化との関係を整理し、気候変動に適応した水産業振興などに関する施策への情報提供を目指す。

関連研究者