研究プロジェクト

大気中の温室効果ガスの時空間変動と排出量推定に関する観測研究

当研究室が実施している、アジアにおける大気中温室効果ガス濃度観測地点

1. 大都市における温室効果ガスと関連物質の観測

世界最大級の都市である東京大都市圏ならびにインドネシア・ジャカルタ大都市圏からのCO2排出量をモニタリングするために、大気中の温室効果ガス(CO2、メタン等)と関連物質(炭素同位体比、一酸化炭素、酸素等)の観測を行なっている。(環境省委託費「GOSAT等を用いた温室効果ガス排出量把握制度改善に関する技術開発委託業務」、科研費「都市の二酸化炭素は何からどれぐらい出ているのか?」、等)

https://www.nies.go.jp/taiwa/jqjm1000000bvr27.html
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170727/20170727.html

東京スカイツリーで行っている温室効果ガス観測は、東京スカイツリー公式ホームページとYouTubeチャンネルで紹介されています。

https://www.tokyo-skytree.jp/about/study/nature.html
https://www.youtube.com/watch?v=txLgTZaxMUA

2. 放射性炭素同位体比と安定炭素同位体比を用いた炭素循環研究

アジア・太平洋地域に広く展開している大気観測網(波照間、落石、富士山頂、定期船舶、等)を活用し、大気試料のボトルサンプリングによって炭素循環の指標となるCO213Cおよび14Cの広域観測を実施している。大気中のCO2濃度と13Cの変動から陸域生物圏と海洋のCO2吸収量の時間変化を推定することができ、14Cの変動から化石燃料起源CO2量を推定することができる。(環境省地球一括計上「炭素循環の気候応答解明を目指した大気中酸素・二酸化炭素同位体の統合的観測研究」、環境省委託費、等)

3. アジアにおける温室効果ガス観測の展開

観測空白域であるアジアにおいて、温室効果ガスの地上観測の展開を図っている。
マレーシア・ダナンバレー、インド・ナイニタール、中国・貴陽、バングラデシュ・コミラ、等では大気試料のボトルサンプリングを長期間継続し、インドの水田やインドネシア・スラウェシと西パプアのWMO GAW観測所などにも観測を展開している。(環境研究総合推進費「GOSAT等を応用した南アジア域におけるメタンの放出量推定の精緻化と削減手法の評価」「GOSAT-2と地上観測による全球のメタン放出量推定と評価手法の包括的研究」、低炭素プログラム、環境省委託費、等)

関連研究者