つくば市立竹園東小学校の児童が国立環境研究所で体験学習をしました
10月5日(木)と10日(火)に、つくば市立竹園東小学校の5年生が国立環境研究所(以下、国環研)で体験学習をしました。これは、先進的ICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)、自然・地域素材、大学・研究所等の活用により、学習に深まりをもたせ、より高いレベルの思考活動にする(https://kyoiku.pref.ibaraki.jp/wp-content/uploads/2023/03/shiryou-8.pdf)「つくばスタイル科」というつくば市独自の授業で、国環研は竹園東小学校からの要請を受け、子どもたちへの体験学習を実施しました。
地球システム領域では、「海洋酸性化実験」と「地球温暖化と森林」の見学を企画しました。
【海洋酸性化実験】
はじめに、講師が海の環境問題についてどんなものがあるか質問すると、子どもたちからは「海面上昇」や「氷が融けて島が消える」などの声が上がりました。その海面上昇を引き起こす地球温暖化の原因が人間活動による二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出で、大気中に放出されたCO2の約1/4が海に吸収されることを子どもたちは学びました。
その後、海水がCO2を吸収するかどうか、指示薬を使った色の変化で確認する実験を行いました。小瓶の中の海水がアルカリ性を示す青色からCO2を吸収することで酸性を示す黄色に変わると子どもたちから大きな歓声が上がっていました。講師からは、家に帰って家族に実験の内容を紹介し、CO2と海洋の酸性化について説明してほしいとリクエストがありました。
【「地球温暖化と森林」見学】
続いて、屋外に設置されている機器の見学を実施しました。まずは講師から、地球温暖化をもたらすCO2やメタンがどこから放出されてどこに吸収されるか、また、CO2やメタンの放出や吸収に森林や土壌が重要な役割を果たしていることを説明しました。
最後に、子どもたちは、森林内に設置された20個のチャンバーのうち一つの蓋が自動開閉して、土壌から放出されるCO2や土壌が吸収するメタンの量をリアルタイムで測定することを確認しました。また、この森林内では測定チャンバーの上に赤外線ヒーターを設置し、土壌の表面付近の温度を人工的に上昇させ地球温暖化を模した装置の上で、CO2の放出や吸収を観測していることを学習しました。
短時間の体験学習でしたが、講義の間、子どもたちは熱心にメモをとって聞いていました。子どもたちがこれからももっともっと地球環境問題に関心をもってくれることをスタッフ一同、期待しています。